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多頭飼育崩壊が起きる5つの原因|猫を守るためにできること

保護猫の飼い方とお世話

気づいたら猫が数十匹に増えていた…

 実際に、そんなニュースを目にすることも少なくありません。

実は猫の多頭飼育崩壊は、全国各地で深刻な社会問題となっています。

本来、猫を守るはずの飼い主が、なぜ猫を苦しめてしまう状況になってしまうのでしょうか。

この記事では

・多頭飼育崩壊とは何か
・起きてしまう原因
・現場で起きている現実
・私たちにできること

を、できるだけわかりやすく解説していきます。

 

猫の多頭飼育とは?

猫の多頭飼育は、一般的に2匹以上の猫を飼うことを指します。

ただし、適切に管理できる頭数は、家庭の環境や経験によって大きく異なってきます。

私の初代猫・ハーにゃんの保護主さんのお家では、なんと13匹の猫ちゃんたちが同居しています。

驚くかもしれませんが、保護主さんのように猫に対する知識と飼育経験と環境が整っていれば、適切に飼育することも可能です。

大切なのは 頭数よりも、管理できるかどうかです。

そのためにも、まずは多頭飼育のメリットとデメリットを理解しておきましょう。

 

多頭飼育のメリット

・猫同士が遊ぶことで運動不足やストレス解消になる
・留守番の時の孤独感が減る
・猫同士の社会性が育つ

猫同士の相性が良ければ、多頭飼育は猫にとってより良い環境となります。

 

多頭飼育のデメリット

・猫同士の相性が悪いと強いストレスになる
・食費や医療費が頭数分だけ増える
・体調不良の発見が遅れがちになる
・掃除や世話の負担が大きくなる

「かわいいから」という理由だけで増やすのではなく、1匹ずつに十分なケアができるか」を冷静に考えることが重要です。

 

多頭飼育「崩壊」とは?

近年、全国で問題となっている社会問題の一つです。

多頭飼育崩壊とは実際に、飼い主が猫の数を管理できなくなり、適切な飼育ができなくなった状態のことをいいます。

 

多頭飼育「崩壊」を引き起こす5つの要因

適正な環境で、適正な飼育のもとで多頭飼育できるのであれば問題はありません。

しかし、コントロールを失ってしまうと 多頭飼育崩壊が起きてしまうのです。

崩壊を招く主な原因は、次の5つが挙げられます。

 

1. 猫の繁殖力への理解不足

猫は非常に繁殖力が強い動物です。

生後約6か月で妊娠可能になり、 年に2〜3回出産することがあります。

しかも、1回の出産で 3〜5匹の子猫が生まれます。

避妊手術をしない場合、短期間で一気に増えて手の施しようがなくなる状態に!

 

実際に、札幌市では2020年に約230〜240匹の猫が保護されるという、大規模な多頭飼育崩壊が発生しました。

 

2. 金銭的に困窮している状況である

「野良猫を放っておけない」という善意から始まり、野良猫を保護したケースも多いです。しかし、不妊手術(去勢・避妊)の費用が捻出できずに増えてしまうケースが後を絶ちません。

特に高齢者に多いのが、「手術をするのはかわいそう」「不自然だ」という誤った倫理観です。

これが結果的に、最も「かわいそう」な状況を招いてしまっているのですが…。

他に、医療費やフード代の捻出ができないなど、金銭面の問題が深刻である背景があります。

 

3. 飼い主の精神的な問題(アニマルホーディング)

孤独感や精神疾患から、動物を収集することに依存してしまうケースです。

独居の高齢者や精神疾患のある方の一部に、人間社会に馴染めずに動物に依存する傾向がみられます。

本人は「猫を助けている」と思い込んでいることが多く、 問題の本質に気付けていないことが、状況を複雑にしています。

 

4. 飼い主の社会的な孤立化

近隣との関わりが少なくい状況によって、問題の発覚が遅れがちになります。

日頃から近隣との関わりがないため、助けを求めることもできず、さらに状況が悪化していきます。

一方で、行政やボランティアの支援を「奪われる」と感じて拒否する傾向もみられます。

 

5. 現実逃避とネグレクト(飼育放棄)

適正な飼育ができずに限界を感じた飼い主は、猫の飼育自体を放棄することとなります。

・猫のトイレはもちろんのこと、部屋の掃除ができません。
 それにより、床面積は猫の排泄物で埋め尽くされて不衛生です。

・充分なフードや水が与えられません。
・医療を受けさせることができません。

経済的に困窮しているため、猫の健康状態に悪い影響が出てきてしまいます。

最悪の場合、猫同士で共喰いしたり、子猫の死亡にも繋がり、悲惨な結末を招くことになってしまうのです。

 

多頭飼育崩壊の現場で起きる「3つ」の問題

実際に多頭飼育崩壊の影響によって引き起こされる問題には、大きく3つに分類できます。

 

1. 住環境の悪化

思うように動けない高齢者や精神疾患のある飼い主は、部屋の片付けも苦手なタイプが多いです。よって、部屋中はモノで溢れかえり「ゴミ屋敷」状態となる傾向が多くみられます。

床一面は排泄物で覆われており、足の踏み場もなく不衛生。

人はもちろんのこと、猫自身にも大変、危険な住環境です。

 

2. 猫の健康状態の悪化

不衛生な部屋の中で過ごすことを強いられる猫は、病気やけがによるリスクに晒されます。充分な食事やお水が与えられず、健康状態も悪化し、見た目もガリガリに痩せている猫が多くみられます。

感染リスクも高く、皮膚病結膜炎を引き起こしたり、中には目が開かない状態になる猫も…。

そして近親交配により、脳機能障害や先天性の疾患を持って生まれる個体も多く、不幸の連鎖となります。

なにより、飼い主以外の人と接触がない、あるいは、飼い主との触れ合いもない猫は極度に怖がる傾向です。中には攻撃性が強くなる猫もいて、社会化するのに長い時間がかかります。

 

3. 多頭飼育崩壊による近隣への影響

不衛生な家の中に閉じ込められた猫たちは強いストレスに晒されます。

排泄物も適切に片付けられず放置されている空間は、強い悪臭を放ち、猫たちの鳴き声が騒音となって、近隣への迷惑にも発展します。

中には、わずかなすき間から脱走する猫も出てきます。脱走した猫が近所の庭を汚すことで、猫が「悪」とされてしまうケースも出てくるのです。

 

多頭飼育崩壊問題を解決するための「5つ」のステップ

猫の多頭飼育崩壊は全国各地で発生している、深刻な社会問題です。

もし近隣で「異様な臭い」や「尋常ではない数の猫の鳴き声」に気づいたら?

そこで、多頭飼育崩壊による保護や対応について、おさらいしていきましょう。

 

1. 相談と通報

まずは、お住まいの市町村の福祉担当課や動物愛護センターに連絡します。
緊急を要する状況である場合がほとんどですから、早めの介入が必要です。

 

2. 実態の把握

相談して案件に繋がったら、現場にいる猫の頭数を確認する段階に入ります。
猫の健康状態や人慣れしているかどうかを確認し、状況把握します。

 

3. 所有権放棄の同意

ここが一番、厄介な問題となるでしょう。

飼い主に「所有権放棄」の同意を求めることになります。

残念ながら猫は「所有物」とみなされ、どんな飼い主であろうとも「同意」が必要だからです。

後々のトラブル発展を避けるためにも、必ず書面での意思表示の確認が必要となり、署名と捺印をもらうことが重要です。

なんといっても、飼い主側が猫に対する依存度が高いほど、難しい対応となることが想定できます。

 

4. 猫の保護

保護団体の介入により猫の保護が行われる段階です。

とはいっても、保護団体だけではキャパにも限界がありますので、預かりボランティアの力添えも大きく貢献するところでしょう。

尚、多頭飼育環境の中で過ごしていた猫たちは、健康状態に問題を抱えていることが多いため、すぐに医療との連携も必要となります。

必要な治療やワクチンの実施と、猫の状態が落ち着いた頃に、去勢あるいは不妊手術を行うことになります。

 

5. 里親探し・譲渡

猫の健康状態が安定し、人慣れを経たら、譲渡会に参加して次の里親を探すことになります。

とはいっても、最近では「シャーシャー猫」(警戒心が強い猫)の需要も一部の人にはあるようです(笑)

生活環境が整った環境で、人間の温かさに触れ、信頼関係が築ければ、シャー猫も心を開いてくれるケースが増えているといいます。

 

猫の多頭飼育崩壊を阻止する「人」への支援

猫の多頭飼育崩壊を阻止するためには、原因を引き起こす「人」の支援も必要です。

社会との孤立が引き起こす背景には、認知症や精神疾患という深刻な問題にも直面することになります。

多頭飼育崩壊を引き起こす人を責めるだけでは解決には至りません。
そこで、認知症や精神疾患の人のための支援が必要となります。

 

1.行政と福祉、動物愛護団体の連携

まずは、行政の介入です。

猫の問題は動物保護団体の介入となりますが、人間側の支援は行政の福祉サービスに繋げていくことが重要となります。

 

2.法的支援

弁護士の介入により、生活保護の申請に繋げる。
借金があれば自己破産の手続き。
成年後見制度の利用サポート。

などが挙げられます。

 

3.生活環境の改善・指導

保健福祉事務所などによる訪問支援と助言のもと、衛生的な生活環境の改善に努めていく過程を得ます。

とはいっても…

認知症や精神疾患を抱えた人が「支援を必要としない」といったケースも多く、介入が難しい場合も少なくありません。

 

まとめ

多頭飼育崩壊は、人間側の都合により引き起こされるケースが多く、今でも後を絶ちません。

猫が犠牲にならないために、できることって何だろう?
実際に「介入する難しさ」にも直面することが多いと感じます。

それでもアンテナを張ることが大事です。

まずは私たちが「多頭飼育崩壊の現実」を知り、異変に気づける感度を持つことから始めてみませんか?

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