2017年10月のある日。
田舎の漁港にぽつんと1匹の茶トラ猫が現れる。
それがのちに「ハーにゃん」と呼ばれる猫でした。
どこの子で、どんな環境で暮らしていたのか。
誰も知る由もない。
ただ、1匹の茶トラ猫が突然、漁港に姿を見せた——
それだけでした。
通報により地元の保健所へ
地元の人の通報により、ハーにゃんは保健所へ収容されました。
推定1歳。茶トラの女の子。
人慣れしていて、とても大人しい性格。
しかし、飼い主候補が現れなければ、1週間経過で「殺処分対象」となる、悲しい現実が待っています。
実は出会っていたんだね!
北海道には大規模な犬猫の保護団体「しっぽの会」があります。
「しっぽの会」に保健所から協力依頼があり、ハーにゃんの飼い主さん募集記事が掲載されていました。
そして私は、偶然その記事を見ていたのです。
可哀そうな姿の1匹の茶トラ猫の写真が掲載されていました。罪のない表情で猫ベッドでくつろいでいるようなハーにゃんの姿が痛々しい。
でも、私が住んでいる場所からはとても遠い…。
「可哀そうにごめんね」「助けてあげられなくてごめんね」
私は何もできず、自分の無力を感じました。
この子とは関われることがない…
ハーにゃんの飼い主さん募集記事を見た当時はスルーしてしまいました。罪悪感を残しつつも。
まさか数か月後に出会うことになるとは思いもせず。
人慣れした大人しい猫なのに「狂ってる!」
これは、ハーにゃんの命の恩人・保護主さんの言葉です。
何度も収容期限を引き延ばしてもらうように交渉を重ね、実際に保護主さんがハーにゃんを引き出すまでに約1カ月の期間がかかったという…。また、その当時の保健所側の対応は冷たかったそうです。
ハーにゃんはとても人慣れしていておとなしい。でも、1週間経過しても飼い主候補が現れなかったら「殺処分」対象だという…。
収容場所はあるのに、どういうことでしょう!?
たった1匹の猫さえ守れないの?
本当にその当時のお話を伺った時は(今でも)胸が締め付けられる思いでした。
保護主さんが動く!
ハーにゃんがいた地域からは、里親希望者が現れないまま時間だけが過ぎていく中、 遠く離れた地域に住む保護主さんが本格的に動いてくれました!
保護主さんは日頃から、ネットで全国の保健所情報をチェックしており、その中でも、ハーにゃんの存在が気になって仕方なかったそうです。
ただし問題は距離!
北海道の端から端まで、東京〜大阪ほどの距離がある。
それでも保護主さんは諦めず、何度も保健所に連絡を入れ、延期に延期を重ねて、1か月かけて何とか引き出せたのです。
もしあの当時、保護主さんが動いてくれていなかったら、ハーにゃんはとっくにこの世にはいなかったでしょう…。
空輸で新しい地へ「ようこそ、ハーにゃん」
そしてついに、保護主さんの元へ———
地元のボランティアさんの協力もあり、ハーにゃんは空輸で保護主さんのいる地域へ移動しました。
本当に心からよかったと思う。
あれから8年経った今でも思い出しては、心から保護主さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
保護主さんの葛藤!引き出すまでに期間が掛かった理由
実は、ハーにゃんが保護主さんの元へ行くまでに約1か月かかったのには理由があります。
保護主さんの家には、すでに保護猫たちがたくさんいて、これ以上受け入れる余力がほとんどなかったのです。
仲間の預かりボランティアさんには、「今は無理だよ」と強く反対されたと話していました。
その状況は否定できない———
保護主さん自身に負担がかかりすぎてしまえば、今いる子たちも守れなくなりますから…。
それでも、保護主さんはどうしてもハーにゃんを見捨てられなかった。
「この子を助けたい」その思いが強すぎて、預かりボランティアさんの反対を押し切り、何度も保健所に掛け合ってくれていたのです。
たくさんの仲間たちと過ごした数か月間
保護主さんは個人で猫の保護活動をしています。
一戸建てには10匹以上の猫ちゃんを保護している状態の中、ハーにゃんも仲間入り!
同じ時期に保護された子猫たちの遊び相手になったり、お姉さんとして振舞っていたという(笑)
これまで1匹で寂しい思いをしていたと思うから、その話を聞いた当時は、本当に心から安堵したものです。今でも温かい気持ちで満たされるエピソードです。
そして、譲渡会
保護主さんのお家で過ごしたのは約2か月。
2017年12月———
地元の譲渡会へハーにゃんも参加することになりました。そこで運命の?出会いが待っていたのです。
つづく…。


