長年連れ添った愛犬を失い、ペットロスも重症化していた頃———
当時の私は心が塞ぎ込み、ただ日々をやり過ごしているだけでした。
保健所の犬猫募集サイトを見ては空しい気持ちが募るばかり。
それが—————
そんな状況でありながらも「いつか猫を家族に迎える」という思いが芽生えるようになっていました。
この章では、ハーにゃんと出会うまでの葛藤と状況を辿っていきます。
犬派の私が「なぜ、猫を家族にしようと思ったのか」
私は元々、完全な「犬派」でした。
推定年齢も出身地も分からない保護犬と過ごした日々は、私にとって、とても温かくて尊い時間でした。
もちろん、どんな環境で、どんな飼い主に育てられていたか知る由もない。
ただ、私に対する依存心が強い子でした。いや、私がそのように育ててしまったのかもしれません。
いつしか私は、愛犬なしでは過ごせないようになっていたのです。
大人しい子でした。やさしい性格の子でした。
失ったものはあまりにも大きくて、心にぽっかり穴が開いたようでした。
またいつか犬を飼いたい———
でも当時の自分の置かれた状況を考えると、仕事が忙しく帰宅は夜中になることもある。愛犬には淋しい思いも沢山させたと思います。
また新しい犬を迎えるとしても同じ思いはさせてはならない。
だったら‥‥‥
「猫であれば、1匹でお留守番させても大丈夫なのでは?」
猫はクール、そんなイメージが強くあり、単純な発想ではありますが…。
そして、いつしか猫を飼いたい思いが募っていました。
そして日を追うごとに、猫に対する理解も知見もないのに、いつしか猫を迎え入れると決心していたのです。
(今となっては信じられない浅はかな発想ではありますが…)
初めての譲渡会———そして「猫は無理…!」
猫を家族に迎え入れよう!
思い立った直ぐ行動!
そこでまずは、地元の小規模な譲渡会へ行ってみることにしました。
そこは個人の方が小さな喫茶店の一角にあるスペースを、個人で保護活動している方々に場所を無償で貸して、定期的に譲渡会を開催しているとのことでした。
そのスペースには数十匹ほどの猫ちゃんたちがケージ内にいました。
そこで出会ったのは、推定10歳の白猫ちゃん。
穏やかで優しい、そしてかわいいお顔立ちです。
まさに初めての猫飼いにはピッタリ!
ところが‥‥‥
抱っこさせてもらおうとした途端に、白猫ちゃんは私の腕をすり抜けるように、咄嗟に逃げてしまいました!
その子は猫エイズをもっていて、強いストレスは負担になるとのこと。
ただ、落ち着いた環境なら発症せずに長く暮らせる猫ちゃんも多いそうです。
けれど、私の猫への触れ方や反応を見て、スタッフさんは白猫ちゃんのためを思ったのか、「譲渡しない」判断を下されました。
その時はやり切れない気持ちでしたが、今思えばその判断は正しかったのだと感じています。
懲りもせず、2回目の譲渡会へ
2017年冬———
今度は保護団体や個人で保護活動されている方が賛同しての譲渡会でした。
今回の譲渡会で出会いがなかったら、猫を迎えることを諦めようと思っていました。
猫を諦めるってことは、犬も諦める、すなわち、動物と暮らすこと自体を諦めるってことです。
今回は具体的にお迎えしたい猫ちゃん像を思い描きました。
・推定1歳前後
・女の子
・性格は大人しい
思えば「ハーにゃん」そのものに当てはまるのですが、最初に目が止まったのは‥‥‥
実は「ハーにゃん」ではありませんでした…(ゴメン!)
ハーにゃんを見つけるまで

ここで出会わなければ私は一生、動物とは暮らせない。
大袈裟だけれど、重症なペットロスの傷も完全に癒えていない私は、思い込まれていました(というより、勝手に自分自身を追い込んでいたのですが)
会場をぐるっと、2周くらいして様子を見ることに。
どの子も警戒するように私を見ているような(笑)そんな気がしていました。
その時は保護猫の状況について理解が及んでいないのもあったのですが…。
そんな中、かわいい子猫2匹が目にとまり、とくにかわいいお顔立ちの子猫に惹かれていました。(これはあくまでも個人の趣向によりますが)
子猫2匹は大人気で、たくさんの人が群がっていたのを今でも覚えています。
同じケージ内には実は、ハーにゃんもいたのです。
ハーにゃんだけは寄り添ってくれていた?
保護主さんに聞いてみたところ、子猫2匹にはすでに里親さんが決定していました。
だから……
ではありませんが、同じケージ内にいながらも、2匹の子猫ちゃんたちとは少し離れて、1匹でいたハーにゃんが不憫に思えてきました。
そこで私は、ケージ越しにハーにゃんの頭を指で撫でてみることに。
(当時、猫慣れしていない私には相当な勇気です(笑))
するとハーにゃんは、ケージ越しにスリスリしてきてくれたのです!
猫に初めてスリスリされた体験が嬉しかったのを今でも覚えています。
そして私は、ハーにゃんから離れることができなくなっていたのです。
ハーにゃんに何度も話しかけていました。
「うちの子になってみる?」
実感がわかないけれど「決定!」
少し離れた場所から様子を見ていた保護主さんに再びお声をかけてみました。(2匹の子猫ちゃんとハーにゃんは同じ保護主さんだったので)
そして、「この子はまだ飼い主決まっていませんよ」と。
もしかしたら、本当に飼えるの?(心の声)
あっという間でもないですが、半分不思議な気持ちでいながらも、契約書にサインをしていました。
そこで、お互いの連絡先を交換することになり、譲渡日の調整へ———
まさに条件に合っていた子
当時の推定年齢1歳
女の子
そして‥‥‥
穏やかでおとなしい
ハーにゃんは、まさに私が思い描いてきた理想の猫の条件に見事に当てはまっていました。もしや、これは偶然というより必然なの?
すぐに見つけてあげられなくてごめんね、ハーにゃん。
そして、これからもよろしくね、ハーにゃん。
年明けには、いよいよわが家へやってくる!
急いで準備しなくては!
大変さというより、うれしさと楽しさでいっぱいの気持ちでいっぱい。
こんなにはしゃいだ気持ちになったのは、本当に久しぶりでした。
つづく———
前のお話:【第1話】初代猫・ハーにゃん物語「突然現れた天使」
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