保護猫を迎える準備は、猫用のグッズを揃えたり、部屋を整えたりするだけではありません。
「うちの子」として新しい家族を迎えるにあたって、見落としがちな大切な手続きや、元気そうに見える保護猫であっても、実は潜んでいるかもしれない不調に気付くための行動があります。
「元気に見えるから大丈夫」は思い込みかもしれない。だからこそ、すぐにでもやっておきたいことがあります。
今回は、私が2代目猫を迎えた際に、実際に経験したことや大変だったエピソードも交えながら、保護猫を迎えたらぜひやっておきたい6つのことをご紹介します。
ぜひ、あなたの愛猫との幸せな新生活の参考にしてくださいね。
1.契約書の内容をしっかり確認・理解する
どこの保護施設でも、猫を譲渡する際には必ず契約書を交わします。この契約書には、トライアル期間やその後の正式譲渡に関することが記載されています。
トライアル期間は、保護猫が新しい環境にどれくらい馴染めるか、健康状態に問題がないかなどを確認するための大切な期間です。
期間は保護施設によって異なり、1週間程度から1ヶ月程度までと、さまざまです。
もちろん、安易に猫を返還するべきではありませんが、もしも先住猫との相性が悪く、お互いの健康に影響を及ぼすような場合など、やむを得ないケースもあるでしょう。
猫はとてもストレスに弱い動物です。だからこそ、トライアル期間中は猫の状態を注意深く観察しましょう。そして、何か気になることがあれば、その都度保護施設に相談したり、状況を報告することが大切になります。
2.かかった費用や支払い内容を確認する
保護猫を迎える際には、医療費やワクチン接種、去勢・避妊手術などを含め、保護施設に費用を支払うのが一般的です。
わが家の場合は、初代猫には20,000円、2代目猫には30,000円を支払いました。
後から初代猫の個人保護主さんに聞いた話では、猫の空輸代を請求する方もいるようです(初代猫のハーにゃんは、空輸を経てわが家に来ました)。
特に個人で保護活動をされている方の場合は、独自のルールがあることも少なくありません。後でトラブルにならないよう、事前にしっかりと費用の内訳や支払い内容を確認しておくようにしましょう。
3.動物病院にかかる前に考えておきたいこと
猫を迎える前に、ペット保険に加入するかどうかを検討しておきましょう。猫は環境の変化に弱く、ストレスから体調を崩すことも少なくありません。もしもの時にすぐに動物病院に駆け込めるよう、備えをしておくことは大切です。
実際に、里親として猫を迎えた初日は、ストレスで丸一日ご飯を食べない、なんてことも珍しくありません。ストレスが原因で病気を引き起こすこともあります。
そんな時、ペット保険に入っていればいざという時に安心です。もちろん、「貯金でまかなうから保険には入らない」という考え方も間違いではありません。ご自身のライフスタイルに合わせて検討してみてください。
保護施設によっては、保険の代理店になっているケースもあるので、相談してみるのも良いでしょう。
4.動物病院で健康診断を!
2代目猫のタルタルを迎えた時、保護施設の方からは「健康そのもの!」と太鼓判を押されていました。そのため安心して迎え入れたのですが、後から確認すると最後に健康診断を受けたのは、わが家に来る、なんと2年前だったのです…。
タルタルがいた保護施設には、数えきれないほどのたくさんの成猫たちがいました。子猫や病気がちな猫が優先的に診てもらえるのは、よくあることです。
一見元気そうに見える成猫は、つい「大丈夫だろう」と油断しがちになります。保護施設の運営方針や優先度、それぞれの事情もあることでしょう。
先代猫の保護主さんに相談したところ、やはりすぐに健康診断が必要だという判断でした。
※我が家の2代目猫の場合は極端な例かもしれませんが、猫の状態により出迎えてからの健康診断は安心にもつながりますね!
見つかった!うちの子の病気とは?
健康診断で明らかになったのは「シュウ酸カルシウム」でした。
猫はストレスを感じると水を飲む量が増えると聞いていたので、新しい環境に慣れない影響だと思って気にも留めていませんでした。しかし、それは私の思い込みだったのです。現在では療法食を取り入れることで改善し、継続して治療しています。
他にも、マラセチア外耳炎も見つかりました。こちらは点耳薬で完治しています。さらに、軽い歯肉炎や歯石も診断されました。
若くて見た目が元気でも油断は禁物です!ぜひ、一度しっかりと健康診断を受けてあげてください。
5.ワクチン接種歴と証明書の確認する
いつ、何のワクチンを接種したのか、保護施設に確認しておきましょう。ちなみに、わが家の猫は3種混合ワクチンを接種していました。
・猫伝染性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
以上の3つの感染症を予防するためのワクチンです。
ワクチン接種は毎年する義務はありません。特に完全室内飼育であれば、毎年接種する必要はないと感じる飼い主さんも多くいらっしゃいます。目安としては3年に1回程度と考える方が多いようですが、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
また、猫をペットホテルなどに預ける際や、ペット保険に加入する場合にワクチン接種の証明書が必要になることがあります。こちらも合わせて確認しておきましょう。
6.マイクロチップの有無と登録手続き
ペットショップで販売される犬猫にはマイクロチップの装着が義務付けられていますが、保護猫には必ずしも装着されているとは限りません。
もしマイクロチップが装着されている猫を迎える場合は、「マイクロチップ装着証明書」を渡されます。マイクロチップの情報は、飼い主情報が変わった際に変更手続きを行うことが義務付けられています。
保護施設から確認をとり、忘れずに手続きを行いましょう。これは「うちの子」となるための、とても大切な手続きです。
まとめ|書類や手続き編
保護施設から猫を迎える際には、ご紹介したように色々な手続きがあり、大変だと感じるかもしれません。しかし、その後の猫との幸せな生活は何物にも代えがたいものです。
ここで簡単に「保護猫にまつわる書類」についてまとめてみました。
✔ 医療費(猫の保険)の検討
✔ 保護施設に支払う費用の把握
✔ ワクチン接種の証明書
✔ マイクロチップ装着証明書
以上の6項目が、保護施設から猫を迎える際に渡される、または確認すべき書類となります。
「うちの子になってくれてありがとう」と思える日々のために、ここはぜひ頑張ってください!最初の健康チェックが、愛猫の健康寿命を大きく伸ばすことにもつながるかもしれません。
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